福留の霞堤の記念碑から東方に続く道路は,島状の墓地の脇を通る.この墓地も川石によって根固めされていること,大淵川と併走する方向に延長すると,記念碑の建つ堤塘(村囲堤)と連続することから,古い堤塘の一部が残存しているモノと思われる.おそらく,墓地として利用されていたため,耕地整理の際に手を付けなかったのだろう.
墓地を載せる高まりは東西に細長い形状をしており,古地図から判読される古い堤塘の方向(東西方向)と一致する.
根固めは円礫(川石)からなっている.おそらく,耕地を作る際に出てきた礫を積み上げて作ったのだろう.
西方を望む.赤い矢印が記念碑が建つ堤塘.写真奥は大淵川沿いに建設された福留南,石川新区の新興住宅地.
写真中央右の林が,福留の旧集落(島集落)の鎮守である味知郷神社.これらの古い堤塘(村囲堤)が,大淵川を通る氾濫水から村を守る位置にあることがわかる.
2004.04.17探訪